【読売新聞】東国原知事、「総裁候補」の条件譲らず

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東国原知事、「総裁候補」の条件譲らず
読売新聞 - 2009年06月30日

 

全国知事会地方分権の提言とあるが、これは財源の委譲に過ぎず地方分権ではない。行政の効率化を訴えているに過ぎない。

 

道州制をモデルとする地方分権とは、行政だけでなく、立法も行政も地方に移す考え方だろう。それはアメリカの州に相当する。アメリカの1州よりも狭いこの国土に5つも6つもの州を導入しようとするのは何故だろう?

 

日本には、特な経済圏は4つある。

  1. 福岡を中心とする九州
  2. 大阪を中心とした近畿
  3. 名古屋を中心とする東海
  4. 東京を中心とする関東

そのほか、プロ野球が本拠地をおく場所が経済的な中心となり得る場所だろう。プロスポーツが可能なだけの人口密集がある事を意味する。


この4地域以外(広島、仙台、札幌等)は、経済圏としては少し弱い。地方分権をするなら、こういった地域も中心にしたくなるが、それでも、アメリカとは異なり、文化、地方色が既にある状態で経済規模だけで人工的に分割するのはアフリカ大陸ではあるまいに、望ましいとは思えない。

 

このように分割された地方(道州)では、独自性を出すために立法の権限が必要となるはずである。これは、税収入を地方の独自にやらせろ、にも近い。つまり国税局の廃止が課題になる。

 

これをしないなら地方分権には意味がない。国家予算は、国が集めた税の分配から、道州が集めた税金の一部を国に納める様に変わる。地方からの共通出資によって国家機関を運営する、そういう形になる。

 

国の立法は、憲法とそれに準じる基本法だけに限定する。明確に地方自治にまかせる範囲を規定する。それは地方自治法で規定するか、または憲法

 

基本法の制定や監視、司法の運営、外交などが国の基本的な活動となる。この体制は、国が決めた事を全国で一律で行なうよりもコストがかかる。各地方でもう一回細かい法律を制定しなければならないからだ。

 

そのかわり、法人税なども地域で差別化できる。国と地方での軋轢も発生する。例えば、国軍への基地の提供などが考えられる。国として防衛のために、この地域に新しい基地を作りたいとなったとき、地方にはNOをする権利がある。それをどのような根拠で強制できるか、このような問題解決のプロセスを決める必要がある。

 

沖縄県と国の関係よりも更に強力な権利が地方に分権される筈である。ある意味で、地方分権とは地方による自治権の拡張であるから、独立権を与える事に近づく。

 

多くの連邦制の国家では、州は独立する権利を有する。連邦制のモデルとしては従来の藩がある。つまり廃県置藩を目指す事になる。

 

また、現在の国の行政に対して地方の行政はかなり劣悪であるから、地方分権する場合は、行政に対する市民側の対抗手段を与えなければならないだろう。それが実は選挙になる。

 

こういうのが地方分権である。それと比べると現在の知事会が主張されているものは、事務の簡略化と効率化の推進である。だからこれは地方行政機関の改善、地方自治の効率化を目指す取り組みと言える。

 

それに対して中央官庁は、お前らにまかせて本当に大丈夫か?と問うわけである。全国一律の品質を目指す中央官庁と品質はばらばらになってもタイムリーなサービスを提供したい地方との確執がある。

 

これらを東国原知事が実現する為には、行政の条例を変更する事になるだろうから、
さて、立法府の長になるだけでそれは可能なのか?それとも幾つかの法律を廃止しなければならないのか?そこまで深い考えがあるとも思えない。小学生の将来総理大臣になる、とあまり変わらない気もする。

 

しかし、金の話だけでよいのか全国知事会