【読売新聞】核持ち込み 政府は密約の存在を認めよ

核持ち込み 政府は密約の存在を認めよ
読売新聞 - 2009年07月01日

 

核爆弾は、あなたの健康を損ないますので使わないようにしましょう。

 

政府の高官を辞めた後に愛国から憂国になって国にもの申す方々が沢山いらっしゃる。

 

そういうお年寄りも嫌いではない。しかし、元外務次官が今更にこんな事を語るのは問題ないんだろうか?

 

アメリカと日本の間には密約があり核兵器を持ち込んでいた。当然密約であるのは非公開だが、互いに認識しておきましょうという点ではこれは外交上の日本内政への考慮であるだろう。アメリからしたら公開した所で何も問題はない。仮想敵だったどうせ持ち込んでる、いまは持ち込んでなくても何かあれば必ず持ち込む、そう思っている筈である。

 

日本はアメリカとの信頼関係に基づく軍事同盟からアメリカ軍への基地の提供を行い艦船を寄港させている。これはアメリカ軍の補給基地のひとつである。

 

そこには信頼関係があり、条約があり、日本は、核を持ち込んでいないはずだと主張し、アメリカも、持ち込んでいませんと主張する。

 

そこで実は持ち込んでいると言った所で、日本からすれば勝手に持ち込んで約束が違うじゃないか、というのが公式見解である。アメリカからすればそんな事はしていない、証拠を示せが公式見解になる。

 

密約の文書を交換しているのなら、話は別だが、そんな秘密文書を公言したら、それはスパイ行為である。

 

アメリカ側が公開したら、日本としては軍事同盟を破棄するのが道理である。機密文書を公開する相手と軍事同盟なんか結べない。

 

だから、そんな文書なんぞはないはずである。日本の建前は、持ち込んでいない、もし持ち込んでいるなら、抗議する。アメリカの建前は、持ち込んでいません、持ち込んでいたら、謝罪して撤去する。

 

そうなるはずであると思っていたんだが。

 

だから、密約が表に出る筈はないし、そんなやっかいな手続きを踏んだのなら何時頃公開するかくらいはシナリオ済みであると思う。だから、普通はないとしたものである。もし、あるとすれば、何も決めていなかった事になる。

 

であれば、この外交官は、なぜ今になって、こういう主張をなさるのか?それは憂国であるのだろうが、北朝鮮の核に対する発言であるならば、もう少し現役世代に任せましょうよ、という所である。それはあなたの役目ではない。

 

もしどうしても言いたかったのなら、せめて現役の時に言いなさいよ、である。今でも発言したい気持ちはあるんだろうし、発言も自由ではあるけれど、夏の縁側でスイカ食べながら聞くにはいい話だろう。

 

と、ここでニュースを見たら、どうも河野太郎がらみであるらしい。裏で暗躍している人でもいるのだろうか。

 

いずれにしろ、核爆弾というものは、置いてあるだけなら安全です。使ったら危険。