TPP「協議開始」を表明、「平成の開国」めざす=菅首相

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世界でも保守的な日本がなぜ完全な自由貿易へシフトしようとするのか?二国間で是々非々で続けてればいいだろうに、何故か?もし、小沢一郎が首相ならどう動いただろう、自民党ならどう動いただろう。

 

底辺への競争

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自由貿易を望むのは売りたい側であって、市場とされる側は防衛策として関税を持っている。よって売りたい者は関税を撤廃したいが、売りに来た者に関税を掛けるのが普通の貿易。

 

さて、この防衛手段をなくして、ガチンコで殴り合うのがTPPだとしたら、それは、それは、ちょっとした決断である。骨を切って肉を断つにならなければいいのだけれど。

 

それでもその方向が規定ならルール作りに参加しないのは、余りにも不利益という事で協議に参加する、その先に抜けるかの決断をするかどうかという事になる。

 

自由貿易は調べてもよくは分からない。歴史的には自由貿易やって没落した国もある。イギリス相手のポルトガルアイルランドなど。小室直樹の国民のための経済原論IIにそう書いてある。

 

絶対優位説: 相手より優位でない産業は潰れるとする説

比較優位説: 相手に対して比較的優位である産業は残るとする説

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いずれも分業を前提とする仕組みである。相手よりも優位であるほうが残るのは同じ。比較優位であっても残るかどうかの問題。

 

例えば友人のA君は天才で、何をやっても自分よりも優れているとする。自分はA君といっしょに働いても使い物にならないかというとそうでもない。


例えば、車の運転。A君の方が更に上手だし安全かも知れないが、同じ働くならB君が運転して、A君は後ろで寝る方が合理的とも言える。

 

これをB君には運転の比較優位があると言う。単純に相手の能力に対しての比較だけではない。これは自分の中の能力の比較でもある。

 

こうやって優位性があれば、自由貿易では双方が利益を得る、という主張ではあるが、自由貿易における比較優位は常に成立するものものではない、とも書いてある。自由貿易において比較優位が成立しない時、あらゆる点で産業は衰退する。

 

比較優位説が成立する自由貿易では双方が利益を得る。ただしその割合は不明確だ。かつ、成立には条件があり、この条件を満たさないと比較優位は成立せず、双方が利益を得るとは言えない。つまり没落の可能性がある。

 

ではその条件をTPPでは保てるのだろうか?そうだと考えるから交渉に参加したのである。自由貿易とは乃ち市場の開放である。市場があれば需要がある。ならば供給を整備できる。それが経済政策になる。

 

なお、需要を強化する施策はまだ理論家されていないのと、企業献金やロビー活動と比べると政治家に旨味(需要)がないため遅れていると思われる。

 

自由貿易で没落した国もあれば、繁栄した国もある。とりあえず、我が国は自由貿易で繁栄した国とされている。これからも自由貿易で利益を得る側でなければならないとも書いてある。貿易立国である。ブロック経済海上封鎖でたちまち立ち枯れするのが特徴である。

 

国は、比較優位なる産業が何であるかは把握しており、比較優位の成立も証明しており、比較劣位にない産業が何であるかも把握していると思われる。

 

いずれにしろ、このTPP参加の議論は、他にも没落する産業がないわけではなかろうが、国内では農業問題として扱われそうである。停滞し、出口の見えない農業問題をどうしようとしているのか、後がない、嫌でも手入れする時期が近づいている。

 

農業問題は、産業だけではない、国土保全の環境問題、自給力確保の安全保障、労働力の確保、近郊の物流、観光まで様々に影響し派生する謂わば地場産業の中心のひとつであるはずである。地方自治では健全な行政区を支える基盤であり、過疎問題の中核中の中核である。

 

政府が農業問題を本格的に取り組む契機になればいい。