「敗戦国が戦勝国の領土を占領」中国が日本批判

「敗戦国が戦勝国の領土を占領」中国が日本批判
(読売新聞 - 09月28日 09:00)

 

首相の国連演説に対し、中国外務省の秦剛(チンガン)報道局長は暗に日本を非難する談話を出した。さらに、秦局長は27日昼の記者会見で、首相の記者会見について、「(第2次世界大戦の)敗戦国が戦勝国の領土を占領するなど、もってのほかだ」などと日本を名指しで非難する長文の談話を発表した。

jp.china-embassy.gov.cn

 

日本が敗戦国と蔑まれる経験はこれまでなかった。

 

例えば、中國がまだ中華だった頃、隋や唐というアジアの大国であった頃、日本を野蛮国と馬鹿にした事はあるだろう、しかし、敗戦国呼ばわりした事はない。

 

このような言い方は、弱者の側のもの言いである。とすると、ここに中國の一面がある。

 

経済力による自信は、誰かを下に見たい、という欲望を生じさせるものなのだろう。調度、明治後期の日本人が朝鮮や中国人をそう見ていた様に。それは、歴史の反動の類で、コンプレックスを克服する国道なのだろう。

 

実は彼ら自身、まだ戦勝国である実感がないのではないか。そう思われる。特に本当に苦しめられたのは日本ではない。断じて日本ではない。彼らの本当のコンプレックスはイギリスである筈だ。

 

それと同じように日本人にも敗戦国という実感が欠けている。我々はアメリカには負けたがそれ以外で負けた気がしない。イギリスもフランスにも負けていない。まして中國など。ソビエトだけは屈辱だが、あれは無効が卑怯なだけである、これが一般認識になりつつある。

 

終わったと思っている戦争が、彼らの中ではまだ終わっていなかったのか、とも驚いた。戦後の経済復興で日本が勝ったからその点でも考えもしなかったからかも知れない。あの敗戦で我々は違う政体に変わったと思っているが、中國からすれば何も変わっていないと見ていると思える。

 

あの戦争は色んなものを歪な形で残している。日本の連続性と中国の連続性、確かに日本は憲法は変えたが歴史の連続は途絶えていないように思われる。中國は明確に変わった。国家元首で歴史の連続性を見るべきなのか。どうも疑わしい。

 

中國にしろ、韓国にしろ、日本を非難するのはいいが、これはどう見ても、日本に軍事大国化しろ、と促している。

 

互いに領土で挑発しあって、引くに引けなくなって大騒乱に陥る。状況が戦争の引き金を引く。好むと好まざるとに係わらず。

 

もしかしたら中国も韓国も、日本ともう一度戦闘をしたいのではないか。その結果として、彼らはこう主張するのではないか。今度こそ負けない。必ず返り討ちにしてやる。それでやっと借りを返せるという感じか。

 

日本を敗戦国のくせに、といいいたい気持ちが分からないでもない。アヘン戦争を始めとして欧米に徹底的にやられた。最後が日本だったから、まずは日本からやってゆくべきだ。全てのうらみつらみをまとめて日本に被らせて返すのがいい。

 

もしかしたらアヘン戦争など馬関戦争みたいなもんで今更どうでもいいよと言っているかも知れない。近代以前の出来事だから、という感覚があるかも知れない。

 

だいたいがアジアの大混乱の原因を作ったのはイギリスである。清を滅ぼす原因はイギリスである。イスラエルパレスチナの問題もイギリスである。世界はイギリスの置き土産で今も苦労している。

 

おそらく、あの戦争はまだ終わっていない。第一ラウンドは冷戦の終結で終わったが。間もなく、第二ラウンドの鐘が鳴る。舞台はヨーロッパ戦線からアジア戦線に移ると思う。ナチスの戦いの後に、ドイツの代理としてアメリカとロシアの戦いが起きた。それは一応の決着を見た。

 

次は広大な中国である。


紺碧の艦隊である。後世世界である。