ロシア大統領選 併合4州でも投票強行へ プーチン氏は“無所属”で出馬

www.youtube.com

 

プーチンはいま71才だそうである。痴呆が入っているかどうかは知らないが、精力的な行動を見る限り、野心の衰えは見えない。世が世なら不老不死の仙薬を探しているであろう。今ならAIに自分を移し替えようとするかも知れない。それ以降ロシアはAIの支配する国になる、そんな未来もあり得る。しかも強迫神経症は濃厚に疑わしいと思われる。ウクライナ戦争の発端はそこから始まった。

 

自分の権威を維持する事、支持率を確保する事、権勢の確保のために戦争が必要であった。ロシアは侵略されかかっている、という問い掛けはロシア人を説得するには十分であったろう。ナポレオンとナチス、間違いなく侵略されてきたのはロシアの方である。ポーランド?なにそれ美味しいの?

 

恐らく二千万人までなら戦死者は許容できる国民性である。それはWW2で証明済みである。物量で言えば、人的資源が尽きるはずがない。ロシアは人間が作り出した社会の中でももっとも真社会に近く、アリやハチの真社会性に類似する。でなければこんな動員に黙って従うなど無理だ。

 

クリミア半島黒海での海軍行動のために必要だった、という考えは理解できる。ここを蓋をされてしまうとロシアは地中海での海軍力を失ってしまう。なぜ独立する時にクリミア半島ウクライナ領としたのか。ロシア人頭悪すぎか、お人好しである。

 

かのゴルバチョフでさえロシア連邦から周辺国が離れてゆくのを信じられなかったと聞く。そこまで自分たちは愛される統治をして来たという自負があったのである。戦車は愛であるなんて、なんといじらしい。

 

だが、決まったものは仕方がない。プーチンは2014に侵略戦争を開始した。そこまでは、西側諸国はまだ平穏に経済制裁によってロシアを封じ込めようとした。所詮はロシアなど既にJ2落ちである。もっかJ1の戦いで注目すべきは中國だから。

 

しかしウクライナ戦争をロシアが開始した。何に焦ったかは知らない。次の大統領選挙に向けてなら時期が早すぎる。ウクライナを支配した後の事までを考えての逆算だったのか。

 

モスクワ近郊に住む人たちは周辺国の人たちが戦場に送られ続けている間は安泰である。そうである限りは戦争を続ける事ができる。ここには完全な階級社会がある。早い話プーチンは皇帝である。しかし皇帝と名乗るガッツは持っていない。共産主義理想社会を今も信じているのだろうか。

 

この戦争の趨勢は、世界中の侵略したい国に対するリトマス試験紙である。

 

侵略を開始しても、どうやら西洋先進国には有効な手段を持たない。それが明らかなら、経済制裁への対策さえ目途がつけば侵略をしない理由がない。武力介入がないならEUなど恐れるに足りずである。彼/彼女らは有効な戦争停止のプロセスを持っていない。これは明らかである。

 

経済制裁なら中國に相談すればいい。引き換えに相当なものが奪われるだろうが、どうせ独裁者たちである。国家の未来を気にしているはずもない。己の権力が満足できるなら、国民など消耗品である。恐怖と歓喜を以ってすれば愛国心に火を付けるなど容易い。

 

それでもイギリス、フランスらが植民地を持っていた時代と比べてどちらが望ましいか。独裁者と西洋列強のどちらに支配されたいかという選択みたいなものだ。どちらも人権も治安も存在しない世界である。西洋列強に世界平和を実現する理由など毫もないのである。

 

プーチンが長期戦を目指しているのは明らかである。もはや戦争には興味ないはずで、戦争状態を続けておく事、人は幾らでもいる。牛舎にいる牛を出荷するように人を戦場に送ればいい。それでもロシアでは暴動も革命も起きない、それを知っている。彼が育て上げた秘密警察は今も健在である。

 

だから数年程度なら、毎日千人死のうが、それは相手の弾丸を浪費させるための必要なコストである。戦果として見れば安いかも知れない。たかが38万の死者で済む戦争ではないか。プーチンの興味はもうアメリカの次期大統領選挙にしか興味はない。そこまで戦争を継続するだけでいい。なんといっても我々は核を持っている、我が国に宣戦布告する国があるはずがない。

 

大統領選挙の勝利は既定である。男なら間違いなく徴兵で戦場に送る。女なら行方不明が妥当だろう。海外旅行にでも行ったのでは?と笑いながらプーチンがロシア1で語る姿が見えるようだ。ロシアでは命掛けでなければプーチンを止められない。ヒットラーを暗殺しようとした人たちと同じレベルで覚悟しなければ国家について考える事ができない。

 

www.youtube.com

 

戦争の継続には、次の条件を満たす必要がある。プーチンが大統領である事、経済が破綻していない事、スーパーインフレが起きていない事、社会インフラが整っている事、石油、電気などの供給ができている事、軍・警察・官僚機構が活動できている事、ウクライナ以外の場所で領土戦争が起きていない事、各州が独立運動をしていない事。

 

これが維持できる限りはロシアの戦争が止められない。仮にプーチンが死んだとして、その後にプーチンよりまともな人間が後を継ぐとは限らない。それでも、結局は、世界はプーチンの心臓が停止するのを待つだけである。

 

圧倒的にそれだけがこの戦争の趨勢を決定する。それがこの世界の悲しみであろう。いずれにしろプーチンの未来は、暗殺されるか、亡命するか、終身刑しかない。

 

ロシアを瓦解させ、経済も立ち行かなくし、穀倉地帯も油田も周辺国に譲渡し、核を廃棄し、常任理事国も返納する。この戦争の先は、ロシアの解体を含み、その結果として国際連合の改革(5か国拒否権廃止)も含まれるべきなのである。そこまでやって初めてロシアの再生は可能と思われる。もちろん、実際にはそうはならないだろう。すると、どこに譲歩の線を引くかにある。

 

その結果として世界に残るのは核兵器を持つ国だけが侵略戦争を許されるという共通認識だけになる。この喜劇が21世紀の最大の政治的到達点であって、さて22世紀の人は我々よりも果たして賢いであろうか。

 

今のロシアはソビエト連邦の亡霊であろう。結局、ソビエト連邦が残したものをロシアが引き継いだ。それはロシア帝国の破壊という問題であって、そこに生じた空白をどう繋ぎとめるかという課題をスターリンスターリンの方法でやって見せた。それはテンポラリだったので問題の解決ではなかった。

 

ばらばらになろうとするロシアを、プーチンはたった一人でつなぎとめようとしてきた。それをロシア人は支持した。ロシア人はそこに依存してきた。そしてプーチンに全ての責任を負わせている。その結果がこの戦争だろう。

 

恐らく、経済制裁だけでこの戦争を直ぐに止める事は難しい。徐々に餓死させる作戦であるから。それでも我々はロシアと交易する企業、国家についてはロシアを支持する存在として批判し不買運動、反対運動を展開するしかない。

 

それでも最終的にはロシア人たちがデモを起こし、世論を喚起し、暴動を起こし、革命を起こしロシア人自身の手で政府を変えるしかない。そのためには民衆を蜂起させる勢力が必要で、その先頭に立つ者が必要である。その人がロベスピエールにならなければいいのだが。

 

核を持つ国だからこの戦争は止められない、しかしシリアの戦争だって止められていない。イエメン内戦も終わらない。内戦ならまだ周辺国は支援をするか、または隔離するかを決めればいい。だが二国間の戦争となると核が決定的な趨勢を握るとすれば。

 

ロシアを止められなくて中國を止めらるはずがない。つまり、中國には台湾進攻を始めない理由がない。その時に日本は尖閣諸島だけで済むだろうか?沖縄も奪いに来る可能性がある。トランプの米軍が沖縄から撤退する決断をしたらどうなるだろう。中國も次のアメリカ大統領には期待している。

 

これらの事案からアジアでは北朝鮮が戦争を始めたら誰も止められない可能性がある。中國が黙認する限り、北朝鮮の侵略にアメリカが参戦するかは不明だ。米軍基地がある事だけが抑止力になっている。アメリカ軍ではない。アメリカ軍は実際にウクライナでは無力だ。アメリカの核だけである。なら世界各国が核装備に舵をきるのは明らかだと思うのだが。

 

ロシアは不幸にしてロシア帝国を完全に潰してしまった。エカテリーナの時代のロシアに戻れれば、そこからもう一度、立憲君主制への移行を穏健にしなおす事ができるならば。そうすれば何もかも上手くいくのではないか。そんな空想をする。これはロシアの人たちも同じではないだろうか。ロシアは女帝の国ではないのか。そういう夢想の中からしかロシアに新しい建国は立たないのではないか。

 

これから。どうやってソビエトの亡霊を鎮魂するか。