iPadの大画面で3D鉄道模型を走らせる――「My railway JR西日本編 for iPad」

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電子ブックは、活字の電子版ではない。だが、文字が発見され、活字が発明された延長にある。写真を取り入れてきたが、この先がまだあると言う事である。

 

言うなれば、これは鉄道図鑑である。

 

だが電子書籍は、本の焼き直しではない。そこには動く魅力がある。静止画から動画へ。だが、ただのカメラではない。

 

動く魅力の本質はシミュレーションにある。つまり機構の説明となっていなければ半分しか活用できていない事になる。拡大、縮小、再生時間の早遅、パラメータを変えての試行、繰り返し、部品を取り換えての動作確認等々。

 

例えば、学校の教科書。

 

【算数】
5+4は紙の本にもある。これを電子図書にしたら、クリックしたら五つの丸と4つの丸がでてきて、一列にそれが並んで、ひとつひとつを数えるという動作をしてくれる。こうすれば、子供の理解も少し深まる、かも知れない。

 

【数学】
微分方程式がある。クリックしたらグラフに書いたり、接線が表示されたり、パラメータを変えてみたり、さらに微分をしてみたり、いろいろいじれるのがいい。式を操作できる事、変式出来る事。

 

ニュートンがどういう理由で微分を欲したのか、天体の観測などと合わせて、どうして必要か、どうこの考えに至ったかをシミュレートして見せる。

 

【社会】
地理はgoogle mapと連携するし、現地の人とお話できるかも知れない。歴史では主な合戦や出来事を時系列でアニメ―ションで表現する。

 

【理科】
生物の細胞分裂をコマ送りでみれたり、ある場所に色をつけてどうなるかを試す。細胞分裂の中でのDNA、リボソームの動き、ミトコンドリアとの繋がり、を時間経過で見る事ができる。


人体の解剖図だって生きている時の動きを動きを見たいし、そこに細菌が侵入したり免疫系がどの順序で働いてゆくか、血管が敗れたらどうなる血小板の動きも見てみたい。

 

【国語】
言葉は電子出版の恩恵をあまり受けないように見える。既にシステムとして完成しすぎているように思われる。ただ、読み聞かせという特殊な場合がある。朗読である。

 

でも聞くよりも読む方が早い。ただ、タレントや女優、声優の読本なら望ましい。これは国語というより演劇としての応用編となる。他、詩歌、演劇、小説、論文など、国語の応用力は凄まじい筈である。

 

【英語】
発音のヒアリング、重要な言いまわしを映画や音楽から再生する。耳を慣らすのに速さの調節ができる。発音を古語から辿れる。語源をラテン語まで辿れる。凡そ、単語単位で系統樹が作れる筈である。

 

【音楽】
クラシックならある楽器だけをミュートして聞いてみる。テンポを変えて再生する。古い音楽と新しい音楽の同じフレーズを再生してみる。カバー曲の同じ場所と変わった場所をvisualに表現してみる、等。

 

【技術書】
これが電子書籍の恩恵を一番受ける。例えば、プログラムの例題があるとする。本ならばソースコードだけだが、電子ブックなら一行づつ実行してどうなるかを追いかける事が出来る。ソースを自分なりにその場でアレンジする事も可能。

 

バグのあるソースコードを提示してデバッグするための例題も可能だ。答えを見る前に動かしてみる事ができる。経験を積む場所としての電子図書。フローチャートを書いたらパラメータをいろいろ変更してエミュレートしてみる。

 

図解の動画、例えば、建築物なら地震での揺れをエミュレートする、風洞実験を行う。ギアの仕組み、蒸気機関内燃機関の仕組み、電子の動き。

 

自由に色を塗り、自分なりの理解を深め、関係する場所をリンクし、一つをクリックすれば、次にリンクされた場所が次々と同じ色で発色する。試してみる事、パラメータを変える事、一部を抜き出す事、他のものに置き換えてみる事。


その上でどうなるかを試してみる事。シュミレーションってのは試せる事だ。つまり遊べる事だ。